2006年公開の映画『硫黄島からの手紙』で二宮和也は準主役の西郷昇陸軍一等兵役で出演している。
ドラマ『優しい時間』の中で、髪の毛が抜けるため、母親にバリカンで坊主頭にしてもらう役を演じたため、坊主頭になっていた二宮に、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長がちょうどいいと『硫黄島からの手紙』のオーディションを受けるようすすめ、オーディションに臨んだ。
二宮は、加瀬亮が演じた元憲兵の清水洋一陸軍上等兵役の演技をVTRに収録して、単独初主演映画『青の炎』のVTRとともにアメリカに送った。
同映画監督のクリント・イーストウッドは、2本のVTRを観て「類まれなる才能」と評し、二宮を準主役である西郷役に起用することを決定し、二宮に合わせて西郷の年齢設定など脚本を一部変更した。
渡米し、二ヶ月間に渡る撮影に臨んだ二宮。
ただ二宮は、イーストウッドのことを知らず、初日に演技の指示をしているイーストウッドを見て『あのおじさんが監督なんだ』と知ったらしい。
元々の台本では、西郷の出番はそれほど多くなかったが、撮影がはじまると出番でないはずのシーンでもイーストウッドは二宮を呼び、その場でセリフと演技をつけて出番を増やしていった。そういうことが度々続き、主役である渡辺謙演じる栗林忠道陸軍中将よりも出番が多いという結果になった。同作品の主役が二宮であると誤認している人が多数いる所以である。
作品は第79回アカデミー賞の対象作となり、作品賞・監督賞・脚本賞・音響編集賞にノミネートされ、音響編集賞を受賞した。
二宮の演技は、ジャニーズ初の日本アカデミー賞候補に選ばれるなど、国内外で高評価を得た。